娘に名前をつけるとき、本で調べながら200くらい案をだした。
アイデア出しのプロなので、一般人の10倍は楽にだせる。
長男が生まれたときは、妻がサクッと決めてしまった。
今度は父親の自分が娘の名前をつけることになっていた。
「女の子の名前って、一体いくつあるんだ……」
途方に暮れるほどたくさんある。
だいたい、名前の良し悪しの基準など、考えたことがない。
「『~子』とか『~美』なんてほとんどないんだな」
最近はいわゆるキラキラネームが流行っている。
「しかし、キラキラした名前で目立つより、普通が大事な気がする」
考えれば考えるほど難しくなる。
こうして思いついた名前をつけた。
この名前なら、と思った。
和の風景をイメージしながら、音楽を感じさせる。
だが、テーマ曲は「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」である。
ドイツ語だ。
まあ、細かいことはいいだろう。
ドイツには前から行ってみたいと思っていた。
「ピアノのレパートリーに加えよう」
と思い、楽譜を買って第一楽章を練習し始めた。
当然娘にも練習させたい。
2歳からピアノ教室に通わせた。
「いつか一緒に弾ける日が来るといいな」
と思っている。
自分も練習しなくては。
とても高度な曲だ。
そんなわけで、ピアノで様々な曲を弾いて子どもに聞かせることを意識し始めた。
「アリア」や「革命のエチュード」など難しい曲ばかり練習している。
まだ1つも最後まで弾けてないので、娘が成人するまでに完成させるべく練習している。