一番こだわるところは「文字数」である

 こういうと、がっかりするかも知れないが。

 文章を書くときに、一番こだわるところは「文字数」である。

 構想を練るときには、展開をどうしようか、結末はどうなるだろうか、途中で壁にぶつかって止まってしまわないかなどと考える。

 しかし、いざ描き始めたら、一番気になることは文字数以外の何物でもない。

 書いては文字数を確認し、また書いては確認する。

 絵を描くときに、画面の端を意識するのと同じである。

 良い作品でも、画面をはみ出したら肝心なところが描けなくなる。

 小説には適切な量がある。

 本にするなら、際限なくかけそうに思えるが、人に感動を与えるには適切なタイミングで山場がきて、適切に終わらなくてはならないと思っている。

 このタイミングは、文字数が支配している。

 また1文の文字数もリズムを作るうえで重要である。

 そして、ひらがなの分量もリズムや読む人の呼吸と密接な関係がある。

 自分の文章は、場所によって同じ言葉がひらがなであったり漢字であったりしているが、これはリズムを考えてのことだ。

 読み手は言葉を頭の中で音にして読むだけではなく、目で見た印象を読んでいるのである。

 文章の組み方が、アナログの本であればかなり自由に組める。

 書体はもちろんのこと、文章を上下にずらしたり、斜めにしたり、急に横組みや反転した文字を入れ込んだりもできる。

 詩や散文や音楽業界の雑誌ではかなり顕著である。

 ここまでくるとかなり感覚的な組版になってしまうが、やはり文章は見た目の文字数を重視して書くべきである。