君にはできないと言われたこと

「人生における最大の喜びは、君にできるわけがないと言われたことをやってのけることだ」(バジョット:イギリスの経済学者)

 

「君にはできない」

 と言われたことを、やってみせると痛快だ。

 だがそんなとき、

「前言撤回だ。見直したぞ」

 とは言われない。

 大抵言った本人が忘れているだろう。

 言った人からすれば、言葉の綾でちょっと失言だったかな、くらいに思うかもしれないが、大した問題ではないのではないだろうか。

 言われた側は内心怒って、

「自分の限界を他人に作らせるわけにはいかない」

 とか、

「自分の事なんか、全然わかっていないじゃないか」

 と言ってやりたくなって、奮起するのだが、それは若いうちの話である。

 何度もそんな場面を経験すると、

「見返してやる」

 と思わなくなった。

「この人は、自分の能力をこのように評価しているんだな」

 と他人事として捉えるので、心にまったく響かない。