時々連絡をとるのは、高校と大学時代の友人くらいになった。
社会人になってから、遊びに行くときは大抵1人でいくし、そもそも仕事が忙しくて友人に会う時間がない。
学生時代には「友達」という不思議な人間関係に囲まれていた。
気が合う友達を自分の意志で作り、自分の意志で縁を切ることもできる。
社会に出て、仕事をしているとこのような自由さはなくなった。
どんな人とも一定の距離感をもって付き合わなくてはならなくなる。
情を挟むとやりにくくなるため、深くは踏み込まない。
飲み会で意気投合した仲間がケンカをはじめることは、職場でも時折みられる。
年々仕事量が増えて、職場にいる間は1分でも無駄にしたくないため、休憩時間以外には無駄話をしなくなった。
考えてみると、小学校の道徳の時間に散々「友達を大切にする」ことを学んだはずだが、社会に出て役に立っただろうか。
社会人になると、年齢が上の人、下の人、上司、部下、部所の仲間、委員会のメンバーなどさまざまな人がいて、バランス感覚を持って付き合わなくてはならなくなる。
「友達ではない」というと、ハッとするようなひどい言葉に聞こえるが、やはりいない。
「友達がいない」と自虐ネタでいうこともあるし、至って普通な気がするが、寂しい人のように聞こえてしまう。
ネット上で一瞬繋がる人たちも、一瞬だけ友達かもしれない。
熱いファンレターを時々いただくこともあるが、励みにして、その人とつながりを求めたりはしない。
友達とは何だったのだろうか。