若い頃は
クリエイティブな人生を志していたせいか
人間を情感豊かな存在だと
思い込もうとしていた気がする
その思い込みを捨ててしまったら
自分の存在価値にもかかわる
大問題になると思っていた
あるとき
そんな考えがひっくり返ってしまった
自分の感性を磨き
価値のある人生が
その先にあると思っていたが
見識の狭さだった
日本人は
芸術的な活動を
特に崇高な仕事だと思いがちだ
それが自分にも浸透していた
それを外国の
さまざまな価値観に触れることで
気付くことができた
墓は物体である
人間も物体だ
生きた証に戒名が刻まれても
ただの石である
精神は
変化するから存在するのだ
墓にはただの生きた印だ