魔法のクリエイターと言われる理由、お教えします

人は知る。人は感じる。創作で。

術を極め時代を憂う「姿三四郎」

バトルアクションものの漫画やアニメのルーツは
柔術から柔道が生まれたときに繰り広げられた事実に基づく物語に見出すことができる。
言わずと知れた、講道館四天王の一人を父に持ち、自身も柔道5段の猛者である富田常雄の小説が原作で、5回映画化された。
漫画やアニメにこの小説のキャラクターが何度登場したか分からない。
当時は流派を守るために命を懸け、板間の固い床に体を叩きつけ血反吐を吐いた。
愚連隊のような者が武器を持ち出し、当時はやり始めたボクシング、実戦空手など他流試合を繰り返していく。
己の肉体を極限まで追い込み、鍛え、痛めつけ、人生をかけて戦う物語は時代を超えて心を打つものである。
武士道の精神が世の中から消えて行くことを憂い、武道を普及するために奮闘する中に、人間の肉体を信仰しひたむきに生きる清々しさを感じる小説である。

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