雪崩が起きた時、
「伏せろ!」
と指示した事件があった。
この指示は間違いで、
正解は、
「バラバラに逃げて、一人でも雪崩から逃れる可能性に賭ける」
のだそうである。
助かった人が、飲み込まれた人を救助する可能性があるからである。
顔が雪に埋まったら、15分から20分ほどで窒息するそうだ。
だから、必死に逃げて、飲み込まれたら雪の中をもがいて掻き分けて力の限り上に顔を出す努力を続け、いよいよ動けなくなったら手で顔を覆って空間を作るのだそうである。
雪崩は時速200キロにも達し、蛇行して進むこともある。
だが、飲み込まれてすぐに死ぬわけではないので、諦めずに手足を懸命に動かし続ければ助かる可能性があるのだ。
創作活動をしていて、雪崩に飲み込まれたように身動き取れなくなりそうになることもある。
そんな時には、もがいて泳げば道が開けるのである。