長編小説を1度も書いたことがなかった時、とてつもない量だと思っていました。
初めて書いた小説が長編小説だったお陰で、原稿を俯瞰するように見ることができるようになって、短編など簡単に書ける気分になりました。
「自分は長編を書くタイプだ」
「この題材は短編向きだ」
「たくさん書くと近いうちに行き詰まる」
こんなことは全然考えずに、数えることも面倒になるほどたくさん書きました。
ショートショートを書くと、始めの構想力が鍛えられ、長編を書くと構想の先にある世界を掘り起こすことができました。
そして、書けば書くほど文章を自然に紡ぎ出すことができるようになって、文字数を心配しなくなってくるのです。
心理的に文章が短く感じられるようになりました。
また、「こそあど言葉」や「こと、もの」、「思う、考える、感じる」など余計な言葉が消え、文章が簡潔になって短く読みやすく、テンポが良くなっていきました。