先月末にグッドデザイン大賞の発表がありました。
今年は一風変わった「まほうのだがしやチロル堂」が選ばれたのです。
デザインの力で社会を変えていく取り組みとして、これから注目していこうと思います。
チロル堂の入口に100円のガチャガチャがあって、回すと「チロル」という店内通貨が1枚から3枚出できます。
チロルで買い物をする仕組みです。
300チロルでフライドポテト、500チロルでカレーも食べられます。
また、チロルで大人に勉強を教えてもらうこともできます。
昼間は駄菓子屋なのですが、夜には大人向けの食堂に変わります。
大人たちは夕飯を食べたり、お酒を飲んだりして、売り上げの一部を子ともたちに寄付することができるのです。
もちろん、直接寄付することもできます。
チロル堂が興味深い点は、寄付をチロルの価値に反映するところです。
チロルの価値が倍になれば、倍の買い物ができます。
寄付金を他人から直接受け取ることに抵抗を感じる子どもでも、さりげなく寄付を受け取ることができるのです。
この取り組みで、社会の中にある経済的格差をスマートに解決することができます。
まさにSDGsの理念を形にしたデザインだと思いました。
貧困で生活に行き詰っている子どもを支援するために、寄付をする仕組みはありましたが、近所から集まった子どもたちを身近に感じながら一遍に支援する仕組みは画期的です。
チロル堂のようなお店が、もし近所にあったら食事をしに行ってみたいです。