魔法のクリエイターと言われる理由、お教えします

人は知る。人は感じる。創作で。

【プロット】悪魔を崇拝する大怪盗、学校の廊下で一体何を。

 私立宝山東高校には、長い廊下がある。

 吹き抜けになっていて、生徒たちが休み時間になるとお喋りに花を咲かせるスペースである。

 その真ん中に、誰かがうずくまっていた。

 一応事務室を通って、来訪者の名札を下げているため、遠巻きにして見ている生徒たちはすぐに興味をなくしてお喋りをしていた。

 男は床の一点を見つめ、吹き抜けの天窓を見上げ物思いに|耽《ふけ》っているようだった。

「あの、何か御用でしょうか」

 高校3年生の神坂は、|物怖《ものお》じしない少年である。

 その男から直観的に感じるものがあった。

「ふふふ……

 君が噂の神坂くんだね。

 啓示があってここへ来たのだよ」

 キラキラと輝く装飾が眩しい封筒を懐から取りだし、差し出した。

 「招待状」と書かれている。

「神坂様。

 悪魔の|僕《しもべ》 大怪盗ラウ=ザ」

 顔を上げると、男が忽然と姿を消していた。

 後には喧騒が響き、男がいた床を強い光が照らしているのみだった。