コミケ会場で開かれた握手会。
オタクの聖地ともいえる場所で、姫と崇められる円谷は、大学の漫研で作った同人誌を持ち込み、握手と引き換えに売っていた。
「収益は日本のSDGsのために使わせていただきます」
SNSで有名になってから、すっかりオタサーのアイドルになっていた。
自作の漫画は飛ぶように売れ、握手を求める長蛇の列がやまなかった。
アニメキャラ、声優などのオタク文化は日本が世界に誇るものである。
芸術の域まで昇華したアニメーションは世界的な映画祭でも話題になる。
だから円谷はオタク的アイドルであることを誇りに思っていた。
声優登録もして、歌も発売した。