魔法のクリエイターと言われる理由、お教えします

人は知る。人は感じる。創作で。

2023-08-01から1ヶ月間の記事一覧

【プロット】貧しいケアラーが、高校文化祭に

ランキング参加中創作家達の集いの場 私が6歳の時、母は家を出て行った。 酒浸りの父と、毎晩のように口論をして顔に|痣《あざ》を作る日もあった。 幼かった私も、兄弟も黙って怯えていた。 ろくに仕事をしない父のせいで、食べる物も着る物も事欠く始末…

【プロット】家族想いの調理師が、月面基地で

ランキング参加中言葉を紡ぐ人たち 宇宙開発。 新しい通信技術、軍事衛星、月面探査、火星探査。 華々しいプロジェクトの裏で、根源的な研究が続けられていた。 食の探究 ─── 人類にとって普遍的な欲求を満たすために、今日も戦う調理師がいた。 早乙女は、…

【プロット】牛丼屋で夕飯を食べるFXで有り金全部溶かしたスクールカウンセラー

ランキング参加中創作 決められた地域を行き来して、一人当たり1時間ほどのカウンセリングをしている私は、牛丼屋にいた。 スクールカウンセラーという仕事は最近になってニーズが増えてきている。 様々な理由で家庭に問題を抱え、集団に馴染めなくなった児…

【小説】ガラクⅢ 砂漠の月時雨

パリの群雲 パリの雨は、数時間降って止むことが多い。 温帯湿潤気候の日本では「今日の天気は雨」というが、一日を通じて雨が降る日はほとんどないのである。 しとしとと、壁を打つ水の音が優しくパリを包み込んでいた。 ニュースを賑わす殺人事件は、毎日…

【小説】ガラクⅡ 砂の激戦  ─── 優しい死神たち ───

運命を変える 運命の日から1か月が経った。 灼熱の太陽が|燦燦《さんさん》と降り注ぎ、コンクリートの地面を焦がす。 長い道の先には輝く砂が幾重もの丘を作り、地平線へ消えていった。 「渇くな ───」 ラルフは天を仰ぎ、スパナを持った手で額を拭った。…

【プロット】幼稚園へやってきた血に飢えた詐欺師

ランキング参加中小説家 気持ちが昂って怒りを感じるとき、俺は幼稚園へ行く。 一人娘の由美が元気に遊んでいる姿を見れば、目元が緩んで荒んだ気持ちが晴れやかになるからだ。 俺の仕事は詐欺師である。 人を騙して金を取るのだが、これがたまらなく面白い…

【プロット】船の甲板に立つ見栄っ張りなオリンピック選手

ランキング参加中創作家達の集いの場 豪華客船に乗った私は、船のへ先にいた。 今夜のディナーショーでオリンピック金メダリストのトークショーと題して仕事をする以外は自由時間である。 柔道選手は派手に取り上げられる割に金がない。 金メダルだけでは飯…

【プロット】超能力を手に入れた劇団員が、流れるプールに

ランキング参加中言葉を紡ぐ人たち 劇団の看板役者といわれる俺は、念動力を使う。 時々大道具を動かしたり、水を波立てて見せることもある。 もちろん誰にも気づかれていないはずである。 お陰でうちの激は迫力が違うと評判になった。 近頃思うのだが、超能…

【プロット】美術館で料理人が催眠状態に

ランキング参加中小説家 フランス料理は芸術である。 シェフはその瞬間に閃きで素材を変えていく。 同じ料理は二度とできない、と言いたいところだが最近行き詰ってマンネリ化していた。 料理業界の中だけで研究していると、アイデアが陳腐化する。 一流の料…

【プロット】大学のオープンキャンパスで腹黒くなった浮浪者

ランキング参加中小説 novels いわゆる路上生活者に成り下がった俺は、隅田川沿いのブルーシートハウスにいた。 元々システムエンジニアをしていたため、単純作業などかったるくてできない。 仕事をえり好みしているうちに、貯金が底をつき住む場所もなくな…

【プロット】持つ者は与えられ、倦怠の跡に目覚める

ランキング参加中小説家 俺は、金だけを信じ誰よりも稼いできた。 ブルジュハリファに居を構え、世界中で事業を展開する。 ここまで来ると、何もしなくても収入が増え続ける。 最早使いきれないほどに膨れ上がり、何も感じなくなった。 傘下の企業には軍事産…

【プロット】占い師が未来を予測すると未来が変わる

ランキング参加中創作家達の集いの場 G県のターミナル駅。 ロータリーを挟んで向かい側に大きなショッピングモールがある。 サイネージがCMを間断なく映し出し、ラジオ局からの告知が聞こえた。 その日もキャッチセールスをしていた荒瀬は、ふらりと売り場の…

【プロット】スタンス、マインドを美容師に教える男

ランキング参加中創作家達の集いの場 流行りの髪型をネットで研究していた美容師のアキラは、今日もお客さんに尋ねた。 「どんな髪型にしますか」 「は?」 お客さんは、何を言っているのか、といった返事をした。 少し沈黙した。 正直アキラはイラっとした…

【プロット】10万円のリラックス法を自然を離れると心が固くなった人たちへ

ランキング参加中言葉を紡ぐ人たち 都会暮らしで疲れた心は、どんどん凝り固まっていく。 俺は毎日全力で仕事をしている。 友だちもいないし、遊び方もわからなくなった。 いつもは通らない裏道で「10万円のリラックス法」と書いた看板を目にする。 誰がやる…

【プロット】ヤンデレな哲学者が、サーバールームに

ランキング参加中言葉を紡ぐ人たち 俺の彼女はSNSを毎日更新しているらしい。 フォロワーがたくさんいるから、話し相手に困らない。 いつの間にか、俺もフォロワーの一人として他愛ないことを呟くようになった。 現実に存在する俺は、肉体という物体だ。 SNS…

【プロット】孤独な幼稚園児が、映画館に

ランキング参加中小説家 ぼくは幼稚園が嫌いだ。 ママもパパも仕事でほとんど家にいないから、朝は一人で行くし、帰りも一人で帰る。 みんなお迎えを待って、嬉しそうにママと手をつないで帰っているのに。 家に帰ると、ポストの裏に隠した鍵を持って中に入…

【プロット】マッチョな公務員が、井戸のなか

ランキング参加中言葉を紡ぐ人たち この辺の古井戸の状況を調査するために回っていた安部は、廃屋の庭先に出た。 公務員の仕事は、多岐にわたる。 草取りや雪かきよりはマシだが、古井戸など放っておけばいいと思う。 裏手に回ると微かに猫の鳴き声がする。 …

【プロット】あきらめの悪い体育教師が、学校の保健室に

高校の夏は、青春の熱風が吹き抜ける。 野球部の練習をする選手たちの声と、金属バットの音が響く。 甲子園出場5回。 プロ野球選手をたくさん輩出してきた名門校で、俺は20年以上監督を続けてきた。 高野連の役員も務め、とても忙しい日々である。 だが、…