魔法のクリエイターと言われる理由、お教えします

人は知る。人は感じる。創作で。

【プロット】牛丼屋で夕飯を食べるFXで有り金全部溶かしたスクールカウンセラー

 決められた地域を行き来して、一人当たり1時間ほどのカウンセリングをしている私は、牛丼屋にいた。

 スクールカウンセラーという仕事は最近になってニーズが増えてきている。

 様々な理由で家庭に問題を抱え、集団に馴染めなくなった児童生徒が対象になる。

 子どもたちが復帰できるかどうかは、自分の技量というよりも家庭にかかっている。

 経験からそう思うのだが、カウンセリングを擦れば原因がわかって立ち直ると思われがちだ。

 そもそもメンタル不調は一筋縄ではいかない。

 そして、カウンセリングは治療ですらない。

 病院で行うカウンセリングが保険適用でないのだから明瞭である。

 だが現場では切羽詰まっている。

 すぐに解決しないと学校はたちまちパンクするからだ。

「どうしようもないんだよ」

 と匙を投げたくなる案件ばかりである。

 カウンセラーほど報われない仕事はないし、ストレスを抱える人種である。

 そのはけ口はFXだった。

 スマホを叩き、残高を確認した。

「牛丼大盛、サラダセットです」

 いつものやつが運ばれると同時に凍りついた。

 大損が出て、手数料を引くと手元資金がなくなっていた。