多久実と一緒に山登りをしたり、カフェで音楽を聴いたりする日々が、彼女にとって大切なものとなっていた。
自然の中で身体全体で受け取った感動が、新しい生活のリズムとなって彼女の心に染み入っていく。
ある日、自分自身について深く考えた。
新しい生活は、彼女に新たな視点をもたらしていた。
自分の趣味や興味を再評価し、自己発見をもたらした。
小さなころから絵を描くことが好きだった。
しかし、忙しい日常でそれを忘れていた。
新しい住み家の窓から見える風景を、彼女はキャンバスに描き始めた。
山々、木々、そして遠くに見える町の光。
それは彼女の心を豊かにしていった。
多久実は彼女の絵を褒めてくれた。
「君の絵は、自然の美しさを捉えているよ。」
彼女は笑顔で頷いた。
新鮮な感動に満ちた生活は、彼女に新たな才能を見つける機会を与えてくれた。
彼女は自分自身を深く見つめ、新しい自己像を描いていった。