魔法のクリエイターと言われる理由、お教えします

人は知る。人は感じる。創作で。

【プロット】銭湯にいる不運続きの殺し屋

 下町には、人情を感じるスポットが残っている。

 銭湯もその一つだ。

 自宅に風呂がない家庭など、今ではほとんどないはずだが、なかなか繁盛しているようである。

 狙撃手としてアフリカ、南米の外人部隊を経験した俺はコロシも請け負うようになった。

 普段は一般人として溶け込んでいた方が、仕事をするときに都合がいい。

 だから、堅気のように振舞っているわけだが、銭湯も悪くはない。

 だが最近髪を伸ばしたせいで、今日も洗髪代を取られたし、小さな入れ墨を彫ったせいで隠しながら入らなくてはならない。

 戦場では、狙撃手は卑怯者呼ばわりされるから英雄には絶対なれない。

 逃げそこなって的にされたこともある。

 一般人がたくさんいる街でコロシの仕事もほとんどないし、そろそろ金が必要になってきた。

 今日も風呂に入ってすっきりしようと思ったら、番頭に入れ墨を咎められた。

 出入り禁止にはならなかったものの、見えないようにしろときつく説教された。

 俺は殺し屋だけど ───