魔法のクリエイターと言われる理由、お教えします

人は知る。人は感じる。創作で。

時代の転換点を感じた 「ニコニコ動画」

 プロ棋士とAIの戦い、と銘打って将棋「電王戦」が行われた。

 「プロ制度が成り立たなくなる」と噂され、人間対コンピュータの図式ができあがる。

 社会全体に、AIに対する得体のしれない不安が広がり既存の仕事が6割なくなるなどと言われる。

 もしも人間が負けてしまうと、世の中がどうなってしまうのか。

 そして、将棋をこよなく愛してきた自分自身も、在り方を問われる気がした。

 ニコニコ動画が独占配信するため、初めて登録し視聴する環境を整えた。

 対局当日はリビングにノートパソコンを持ち込み、一日中見守る態勢で臨んだ。

 事前にプロ棋士と将棋ソフトの歴史を調べ、PV動画もくまなくチェック。

 準備は完璧である。

 将棋ソフト開発者はとても真摯に将棋に向き合っていた。

 もちろんプロ棋士は人生を賭け、プライドをかけて対局する。

 手に脂汗をかき、涙する棋士もいた。

 恥も外聞もなく「勝利」に執着する。

 コメントが文字で流れる画面に、始めは違和感を感じていた。

「画面が見えない」

 何度もボヤいていたし、どうでもいい叫びとか上げている人の神経が疑われた。

 だがずっと見ていると「ネット特有の文化」くらいに受け止めることができた。

 みんなで茶の間を囲んで観戦しているかのような臨場感。

 ニコニコ動画のことを随分前から知ってはいたが、体験したのは初めてだった。