中学校の生徒会長になった中田は、成績優秀で近所の評判も良かった。
だが、学校に批判的だったり卒業してからグレてしまったりする先輩が多くて、陰口も言われる。
先生方から見て「良い子」でいるには、とてつもないストレスがかかるものである。
人前に出るとつい、格好つけてしまう。
そしてチョイ悪気取りのヤンチャな奴らに小突かれ、後者の影でいじめられた。
何となくイラっとする、などと言われて。
ついに精神のバランスを崩し、田舎の祖母の家に行ってしばらく静養することになった。
メンタルクリニックで、休息が必要と指示されたからである。
学校から離れると、みるみる元気を取り戻していった。
そして夜行バスに乗ると、学校という呪われた組織に復讐を誓った。
生徒会長として、総会に上げる議案を書き留めた書類を携えて。
