魔法のクリエイターと言われる理由、お教えします

人は知る。人は感じる。創作で。

【プロット】女装男子が、アイドルの握手会で時限爆弾を取り付けらた

 推し活に賭ける青春。

 大好きなアイドルのグッズを集め、コンサートへ行く。

 僕は5年前からずっとこんな調子だった。

 高校生の癖にちょっぴりお腹が出た勘太と一緒に、電車に乗った。

「どっちの手で握手する?」

 隣に座っているのにSNSが飛んできた。

「左。

 決まってんじゃん」

 長い髪をくるくると指で巻き取りながら、めんどくさそうに返した。

 僕はいわゆるマイノリティだった。

 握手会には長蛇の列ができていた。

 CDを買うと、整理券がついてくる。

 いつものやつだ。

 同じCDを3枚買った。

 1枚を聴いて、1枚はガラス棚に飾る。

 もう1枚は保存用である。

「あっ、舞様」

 お目当ての中村舞が、列の前に現れた。

 早速1人づつ握手をして、次のコンサートのチラシやグッズの情報が詰まったリーフレットを受け取る。

 知っている情報ばかりだが、戦利品として陳列棚に飾るのである。

 帰りの電車で勘太とスマホをいじっていると、公式サイトに注意喚起の情報があげられた。

「本日の握手会で、CDを購入された方、爆発物が仕込まれている可能性がありますので不審な物を見かけたら最寄りの警察にお問い合わせください」

「なんだって」

 これもSNSで叫んでいる。

 さっき買ったCDを取り出す。横から覗くと一枚だけ黄色い物体が入っていた。

「げっ、当りかも」