印刷会社と一緒に出版業界のセミナーを開いたとき、やはり昔の写植や上製本の話などになった。
だが営業担当者は、
「これから紙の印刷の仕事はなくなります」
と断言していた。
印刷会社からすると、紙で印刷しないということは、巨額の投資をしてきた印刷機も丁合機も裁断機も必要なくなることを意味する。
かなり危機的状況のはずだが、サバサバしたものである。
ずっと前から時代の変化に合わせて準備しているのだろう。
「印刷物を作るときのノウハウは生きるはず」
とも言っていた。
アメリカの雑誌編集者は数十年前から本が受注生産になる時代を予見していた。
昨今の電子書籍の浸透ぶりを見ると、それさえも無くなりそうである。
「書籍化」
を売り文句にしなくなる時代がすぐそこまで来ている。