「自分に合った仕事を探す」
「自分らしく生きる」
これらは自分が先にあって、その「自分」のイメージに沿った生活を求めることで会る。
一見正しいように聞こえるが、「自分は変わらない」ということになるかも知れない。
自分を変えないから、成長が遅れる気がする。
少なくとも適性を感じない世界に飛び込んで、何とかしようという気概はなさそうだ。
「好きなことをする」
これにも問題が隠れている。
「好き」をどう捉えるかが大事である。
小説家になるとした場合、小説を書くのが生まれつき好きな場合と、書いているうちに小説家という仕事が好きになる場合がある。
どちらも持っていれば良いのだろうが、なかなかそうはいかない。
長続きする情操に昇華されるためには、数々の苦難を乗り越え、仕事に誇りを持ち、執筆するひと時を、創作の苦しみと共に受け入れたときである。
だから、自分が今持っている物だけで勝負しようとすると、自己実現には至らないのではないだろうか。