魔法のクリエイターと言われる理由、お教えします

人は知る。人は感じる。創作で。

【プロット】妄想癖のある小説家の超能力クラブ

 繁華街のネオンが煌々と照らし、槙田の顔とコートを浮かび上がらせる。

 裏通りに入ると暗い路地に長い影を描いた。

 古いビルの地下に向かう階段へ吸い込まれていく。

 目当ては「超能力クラブ」である。

 妖しい面々が、サイコロや水晶玉、カメラをテーブルにおいて睨みつける。

 ほんの少し動くと疲れきって椅子にもたれて息をつく。

 超能力を信じる者には、些細な現象が己の成長の証に思えた。

 PK、念写、読心術など様々なジャンルに挑戦し、お互いにある程度の距離感をもって成果を確認し合っている。

 槙田がドアを閉めると、近くにいた男が会釈をした。

 水晶玉が置かれたテーブルに腰かけ、手帳を取り出した。

 小説のネタを探していたときに、たまたま見つけた神秘のクラブに魅かれて常連になった。

 妄想は日常茶飯事だが、実際のビジョンを呼び出してストーリーを作りだすと小説に厚みがでる。

 今では欠かせない習慣になっていた。