男はフランスの家庭料理を割と手ごろな値段で出しているレストランに入った。
自炊をせず、外食が多い独り暮らしの楽しみは食事である。
フランスらしさ、を演出するために白布がかけられ、客をどんどん相席にしていく。
広い店内を店員が忙しそうに行き来して、男のテーブルに近づいてきた。
コップをトンと置き、かなり上からドボドボと水を注ぐ。
そしてメニューは意味不明な料理ばかり。
写真もなくて途方に暮れたが聞く相手もいない。
忙しそうな店員はつかまらず。
お腹が空いていたので、適当に頼むことにした。
すると出てきたのは途方もない量のパンと煮込み魚と、肉の塊だった。
テーブルを埋め尽くす料理。
ポカンとしていたところへ相席の男が座った。