趣味は自分の心情に向き合う貴重な機会である。
社会が高度化するほど、分業が進み「何のためにしているのか曖昧な仕事」が増えてくる。
本業の仕事では、成果を求められ、明確に数値化できる結果が求められる。
企業にしても、公務員にしても、報告義務があるからである。
それに対して趣味は、自分がやりたいことをできるし、大抵は自分の都合でやめることができる。
受注してイラストを書いているプロのイラストレーターが、陶芸を趣味にしていることが多いらしい。
陶芸は、大御所にならなければかなり自由に表現できるし、評価が曖昧だ。
プロのクリエイターは、クライアントが望む作品を作らなくてはならないので、クリエイティブに成約がかかる。
その間でバランスを取って仕事をするのがプロの世界だ。
だから、クリエイターとしての欲求を満たす場が、他に必要になるのである。
クリエイターは、自分のあり方を自分で決められる自由さがある反面、決めることを煽られているとも言える。
対価を得るためにどこまで自分の主張を抑え、どこで発散するかを決めるのである。