家の周りは田園地帯なので、見渡す限り水田が広がっている。
最近調節池が作られ、その周りをジョギングに丁度いい土手が巡らされた。
その少し先に、赤土が露出した空地がある。
時々ショベルカーが止まっていることもあって、幼稚園児の僕にとって気になる遊び場の一つだった。
友達のこうちゃんと一緒に空き地へ遊びに行く。
本当に土が出ているだけで何にも植えてない。
雑草もないから、しょっちゅう掘っているのだろう。
降りてみると、小さな穴がたくさん開いていた。
四角く掘ってあるところもあるし、ままごと遊びもできそうだった。
「ここ『こだいいせき』って言うんだって」
「何それ」
「知らない」
いつもならまた、こうちゃんの知ったかぶりかとやり過ごすのだが、今日はなぜか許せなかった。
「分からない、じゃなくてちゃんと説明しろよ」
「何だよ、偉そうに」
些細なことでケンカをして、こうちゃんは家に帰ってしまった。
家に帰ると、パパに「こだいいせき」の話をして、拾った金色の棒を見せた。
「げっ、持ってきちゃったの。
これ金じゃないか」
パパが僕の手から取ると、棒が妖しく光始めた。