武道で身につくこと

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 武道は人の身体を効率よく壊す技術を追及するものである。

 暗い道を一人で歩くようにして、その技術の先にあるものを、時々考えながら自問自答している。

 日常生活で使うことはないだろうと思っていた技を、意外なところで使うことになった。

 まずは介護。

 体が麻痺して動かない親の身体を、車椅子に移乗させたり、付き添い介助したり、様々な場面で武道の理が役に立った。

 それと、ミゾオチにある丹田に気を集めるため、横隔膜の筋肉が鍛えられ、声が通るようになる。

 声質が良くなって歌は上達するし、いざというときに良く通る大きな声が出せる。

「危ない! 」

 と叫ぶと数百メートル離れた人が振り向く。

 中国武術に試声という鍛錬もある。

 それをいつもやっている感じだったので、声も武器になった。

 現代中国武術最強と言われている意拳(日本では大気拳などという)の鍛錬法は、1時間ほど立ったままでいる、というものである。

 もちろん細かい工夫はあるのだが、動かずにじっとしているのである。

 これを見た日本人は、

「もう帰ろう」

 と思う人も少なくない。

 実際やってみると、とてつもなく辛い。

 鍛錬が終わると、足が棒のようになり、関節に何か挟まったような痛みが走り、心が何度も折れそうになった。

 気の長い中国人でもやめてしまうこの鍛錬を続けると、反応速度が上ることに気が付いた。

 他にもたくさんあって、身体を鍛えることで、それ以前にあった関節の不調や腰、肩の痛みなどはまったくなくなった。