魔法のクリエイターと言われる理由、お教えします

人は知る。人は感じる。創作で。

【プロット】デパ地下にいる幼稚な海外ツアーガイド

 ヨーロッパから帰ったばかりの尼木は、デパ地下を物色して愚痴をこぼす。

「日本の食文化って、乱れてるよねえ」

 甘いもの、辛いもの、しょっぱいもの。

 味が強すぎて素材が死んでいる。

 試食を口に運んでは吐き出して顔を|顰《しか》める。

「しょっぱすぎるよ。

 一体どんな舌してんのよ!」

 思わず声を荒げた。

 スナック菓子の山を見ては、

「ああ、舌を|痺《しび》れさせるエサね」

 |辟易《へきえき》したという顔をしながら買っていく。

 ツアーガイドにとって、束の間の休息。

 明日にはヨーロッパに戻らなくてはならない。

 時差ぼけが治らないうちに次の土地へ飛び続けるのである。

 外へ出ると、ケバケバしい看板が目について顔をそむけた。

「もういや。

 スラム街かよ」

 吐いて捨てるように言うのだった。