悪魔との契約をすると、恐ろしいことが起こりそうだ。
代わりに魂を抜かれて殺されるのだろうか。
自分は、実戦系の武術をやっていた。
その時いつも、
「これを外でやったら、傷害罪で逮捕されるな…… 」
と思わずにはいられなかった。
だから、自分と対峙してくれる相手に心から感謝した。
毎回アザができ、顔面を腫らしたり、肋骨にヒビが入ったこともあった。
もちろん相手も、同じような目に遭っている。
自分と対峙して、怯えた表情を見せる人もいた。
そんな自分は悪魔に魂を売っていたのかもしれない。
社会の秩序を維持するために、世の中に決められたルールに反したことを公然とやっていたのだから。
そしてそれが、快感でもあった。
そんなときの心理は、まともではない。
戦争を描いた小説の中で、
「殺しの快感」
が描かれていた。
正確には、
「相手を殺すことで、自分が生き残る快感」
なのだそうである。
つまりゲーム性が快感を生んでいるのである。
この点は自分にも当てはまった。
もちろん命のやり取りはしないが……