シチュエーションについて

 小説の物語の中では登場人物の状況、境遇、局面を指す。

 シチュエーションをあえて使うときには、変わった状況になっていることが多い。

 「こんなシチュエーションだったら、この人は何と言うだろうか」

 という具合だ。

 1つのシチュエーションが、別の人物が関わったときにどんな変化を起こすかを考えて場面を設定していく。

 また人物がどんな環境に置かれるかによって、喋る台詞が変わる。

 このようにして、シチュエーションが物語の流れを作っていく。

 例えば「桃太郎」のストーリーを、桃太郎が個人主義的で、他人のために尽くすよりも自分の価値観で行動したらどうなるか、といった要旨の小説を数本見かけた。

 自分は「雪女」を登場させてみたらどうなるかを考えた。

 雪女は圧倒的なほどの能力で人間を氷漬けにする。

 恐らく、吹雪に遭って凍死する状況を、雪女の仕業だということにしたのだろう。

 つまり吹雪を擬人化したものである。

 自然災害の前では、人間は無力である。

 その圧倒的な力で人間を氷漬けにしてしまう雪女を桃太郎を同時に描くとしたら、桃太郎が弱者か、または傍観者になる。

 このように、登場人物のキャラクターが自律的に物語を形成していったのである。