毎日同じ道を行き来して、憧れの大学へ進むための資金を稼ぐ。
俺は週5日アルバイトをフルに入れて働きながら勉強を続けてきた。
仕事を一番把握しているため、バイトリーダーという立場になって高校生や大学生のバイトに指示を出す。
そして、しくじったらその分の仕事を背負う。
今夜も勉強時間が削られてしまった。
一分でも長く勉強したい。
一人でフランチャイズの厨房に立ち、大量注文に応対しながらため息をついた。
「今日もご苦労さん」
店長が右手を上げて笑顔を向ける。
笑顔より時間をくれ。
心で呟くと、涙が流れた。
「どうかしたのかい」
「もう無理です。
バイトリーダーから外してください。
部下の仕事を背負うなんて理不尽です」
と言いたかったが、言葉が涙に変わった。